「情意(性向)」は一般的にはあまり耳慣れない言葉ですが、1990年代の人事考課の世界ではよく使われていた言葉です。
辞書によると「思い」とか「気持ち」という意味があるみたいです。人事考課では「やる気」の度合いを測定するものとして考課の対象とされてきました。
上の図は、人格形成における成り立ちを表していますが、「情意(性向)」は「性格」でもなく、「能力」でもないその中間に位置づけられています。
「情意(性向)」は「性格」に限りなく近いものでその人の人格を表すと言っても言い過ぎではないが、「性格」のように変えようと思っても変えることが難しいものではなく、時間がかかるが変えることのできるもの(3年から5年かかると言われている)として人事考課の対象とされてきました。
「情意(性向)」の代表的な項目として
規律性(日常の服務規律の度合い)
積極性(自発的なな業務遂行、改善工夫の取り組み姿勢の度合い)
責任性(与えられた責任範囲を守ろうとする姿勢の度合い)
協調性(組織の一員として他のメンバーをカバーしようとする姿勢の度合い)
が挙げられますが、一見すると何か性格のようにも思えます。
例えば、
「よく遅刻する」
「ルールを守らない」
「責任をとらない」
「仕事に一生懸命」
「チームに協力的」
すべて「性格」が悪い・良いではありません、「情意(性向)」の度合いが高いか、低いかで、上司がキチンと指導すれば時間がかかるかもしれませんが変えられます。
最近では「competence(コンピテンシー)」におされてあまり使われなくなった「情意(性向)」ですが、ギクシャクした社風を良くしたいなどと考えておられる企業であれば、入社5年までの社員の考課に使用されては如何でしょうか?